フランスのリヨンの日常生活で感じた事をざっくばらんに書き留めています。フランス、リヨン情報、外国人の友達、出来事、映画、フランス家庭料理、音楽、独り言。
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Saturday, October 11, 2008

イタリア映画 イル・ポスティーノ (1994): Il postino(仏題Le Facteur)

Institut Lumière でイル・ポスティーノ (1994)の映画上映と映画の原作小説を書いたアントニオ・スカルメタ氏のお話を聞くsoirée spécialeに行ってきました。

(ポスター画像はWikipediaの英語版 Il Postinoより。)

イタリア、ナポリに浮かぶ小さな島。政府に追われてチリから亡命してきた世界的詩人パブロ・ネルーダ(フィリップ・ノワレ)の滞在は、島の人々の ちょっとしたニュースになっていた。ネルーダに郵便を届ける配達人となった青年マリオ(マッシモ・トロイージ)は、ネルーダとの交流の中で、詩の世界に触 れ、恋を知り、人間として目覚めていく。
故郷を追われたプライド高き詩人と、故郷の現状や自分自身にさえ無頓着な若者。まるで共通点のないふたりが詩を通して心で結び合うさまを、繊細な タッチで描いていく。ネルーダが島を去った後も、彼の消息を新聞記事で追いかけるマリオ。著名人であるネルーダにとっては短期間の小さな思い出に過ぎず、 便りが来ることもない。それでもマリオはネルーダの残した録音機に、さざなみや風の音を吹き込む。出会いが人生を変え、信じようとする心が真実を生むとい うシンプルなメッセージを、心から信じたくなる真摯な映画だ。(茂木直美)
Amazon.co.jpのイル・ポスティーノのDVDの説明より抜粋。

英雄でもなんでもない、この郵便配達人と詩人の交流をこんな風に描くところは素晴らしいと思います。前半の詩の隠喩についてのマリオとネルーダのやりとりのシーンはかなり笑えます。
最後はちょっと切ないですけど、じわりと良い映画を見たときの嬉しさを感じました。好きな映画がまた一本増えたという感じです。

ご存知の方も多いと思いますが、配達人役のマッシモ・トロイージMassimo Troisi氏は心臓手術を伸ばしての撮影で、撮影が終わった12時間後に亡くなったそうです。これは見終わってから知りましたが、映画を撮り終わってからほぼすぐに亡くなったとは、彼もこの映画に命を捧げたのですね。俳優としての誇りで映画を撮り終えることができたのでしょうね。

(Soirées pécialeのチラシはニュースレターより抜粋。Il postino(=仏題"Le Facteur"))

この映画の原作"Ardiente paciencia"のアントニオ・スカルメタAntonio Skármeta氏が映画上映の後、質疑応答でお話ししてくださいました。

とても元気というか陽気な方でいかにもラテン系らしい、でも優しい雰囲気を持っている方でした。フランス語もかなり分かるようで、通訳の方がつまっても言い直したり、通訳の方が言い忘れたりすると◯◯だよ、と言ったり、会場の笑いを誘っていました。

原作の翻訳本は最初15カ国語だったそうですが、映画のヒットのおかげで27カ国語に増えたそうです。
原作の方もとても面白いようですね。

ちなみに、よくこの郵便配達人は実在の人物だと思われていたようですが、この人物像はフィクションだそうです。昔アメリカで取材を受けると、よくこの郵便配達人の奥さんの住所を教えてくれないかと言われたそうです。

小説を書いた後、スカルメタ氏自身でArdiente pacienciaという題で映画をつくったそうです。少ない予算でフランスのビアリッツでロケをして作ったそうですが、このバージョンの方も見てみたいと思いました。手に入るのかどうかがよく分かりませんが。

実はこのsoirée spécialeのチケットはかなり前に買っていたのですが、同じ日にリヨン第三大学の日本映画の方もあってかち合っていました。このブログでも紹介した日本文学の映画フェスティバルですが、紹介した本人の私はいろいろとごたごたがあってあまり観に行けていません(笑)。

日本映画を見てから行けばぎりぎり間に合うかと思ったのですが、心配だったので日本映画の途中で抜け出して、イル・ポスティーノの上映にやって来ました。抜け出して正解でした。満席で階段席待ちの人達がたくさんチケット売り場の横に並んでいたからです。運良くまだ席も残っていたので良かったです。当日チケットを買った人達は通路の階段で映画を見ることなります。

Institut Lumière主催のこの手のsoirée spécialeで監督や原作者が話をしにやって来る場合は、早めにチケットを買っておかないと売り切れてしまう場合があります。soirée spécialeの人気の度合いは予測できませんが、最近は行きたい特別上映の券はすぐに買いに行くことにしています。
ウッディ・アレンの試写会もすぐ満席になっていました。

2 comments:

tamaho said...

こんにちは。
この映画、10年以上前(汗)にドイツで見たのを思い出してなつかしくなりました。当時の私はまだ語学学校に通う身。たぶ初めてドイツ語で見た映画だったかも。さりげない会話にしみじみしたよさが出ているはずのこの映画を、正直言ってじゅうぶん堪能できたわけじゃないんですが、そのとき屋外映画上映に行ったことや、この俳優さんが亡くなったいきさつをグループの中のイタリア人の男の子が一生懸命説明してくれたことなんかが急に思い出されて懐かしくなりました。ずいぶんリアルな存在感のある俳優さんですよね。もう一度観てみたいです。

M: 木蓮 said...

◆こんにちは、tamahoさん。

おっしゃる通り、マッシモ・トロイージさんはこの映画の中でとてもリアルな感じがしますね。イタリア人の友だちにこの映画を観たことを話したら、トロイージ氏の死はイタリアでは当時センセーショナルな話題になったんだよと言っていました。

フィリップ・ノワレ氏もさすがだなあと(私は好きなので)思いました。この映画の俳優さんたちはみんなとても人間くさいというか、面白い人達に描かれますね。
二人の会話、なんだか面白くて前半では結構映画館内でもみんなで笑ってました。屋外上映でこの映画を観られたなんていいですね。

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