(画像は東宝ミュージックより抜粋。)
(Amazon.co.jpより内容紹介の抜粋。)
横浜の高台に豪邸を構える製靴会社重役(三船敏郎)の運転手の息子が、重役の息子と間違われて誘拐。犯人は3000万円を持って特急こだまに乗るよう命令するが…。
エド・マクベインのミステリ小説『キングの身代金』を、黒澤明監督が翻案して映画化した社会派サスペンス映画の金字塔。やがて人質は解放され、警察 (仲代達矢ら)の必死の捜査が始まるにつれ、明らかになる誘拐犯(山崎努)の思想。地獄のような薄汚れた町から、天国のような高台の豪邸を見上げていた彼 の屈折した思いが、とりかえしのつかない事件をうんでいくのだ。その意味では単なるサスペンス映画ではなく、人間の内面の業に鋭く迫った、黒澤映画ならで はの味わいに満ち満ちている。モノクロ映像のなか、一瞬カラー着色がほどこされるショッキング・シーンは観てのお楽しみ。後に『踊る大捜査線』映画版で、 このシーンがパロられていた。(的田也寸志)
(↓ネタバレになってしまうかもしれないので、読みたくない方は読まないでください。)
最後の終わり方、心のアクションが強い映像だと思いますが、あれで私たち観客に犯人の心理状態が引き出されましたね。山崎努演じる犯人の思いを見せられた気分でした。すごく胸に響きます。ああいう終わり方をするとは思っていませんでしたが、人間の弱さを描くのが上手いんですね、この監督は。私が黒澤映画を好きな理由のひとつです。
黒澤監督はフランスではとても人気があります。日本でももっと観られるといいと思うんですが。。。この見応え感はさすがです。この『天国と地獄』では、脚本も俳優さん達も、カメラも、作り手みんなが一緒に息をしている感じがします。凄いです!
ちなみに、「刑事役の人が良かったよね!」と一緒に行ったフランス人の友人が言っていましたが、私も仲代達矢はいつもながら良いなと思いました。でも、仲代さんは今まで見たどの映画でも素晴らしいので、仲代さんが出ていたら、良いに違いないと自動的に思ってしまいます(笑)。
『江の電』とか懐かしい単語も出てきて、嬉しくなりました。そして黒澤映画の常連の俳優さん方にまた会えました。『七人の侍』に出演している方々、侍姿じゃなくてもやっぱりいいですね!
映画を見てみて初めて題名の意味が分かりました。これは名作に数えます。
4 comments:
うわー、色々見たい映画が増えてしまいました(笑)
「赤ひげ」も、見てみたいです。
以前、パーティで知り合った日本映画ファンのフランス人に、「やまんば」だったか、なんか、怖い女の話だけどすごくいい、というのを勧められたんですが、それは怖そうなので、結局見ませんでした。
どの町にも、日本人に愛想の悪い日本人って、必ずいますよね!
私は会ったことがありませんが、うちの町にも、「日本語で話しかけないでください!」って冷たく言う人がいるそうです(笑)
なんなんだかね…と思います。
深~いコンプレックスがあるんでしょうね。
何年か前(って随分前だ!)の東京映画祭は黒澤映画の特集でした。にぽぽはあんまり“黒澤”に馴染みがなかったんですが、天国と地獄、七人の侍、赤ひげ、見た映画全て強烈な印象を受けました!
天国と地獄のラスト、ほんとに心に残りましたよ!
(*^-゚)⌒☆ポチっと★★
◆サラさん、こんにちは。
フランス人(に限らないと思いますが)って日本映画が好きな人は本当に好きですよね。
日本映画の研究をしたくて、働いていたのに、特定のある映画の研究をするためにリヨン大学の一年生から日本学科で勉強を始めた人もいます。
日本映画だけじゃなくてアジア映画が好きという人も結構いますよね。逆に知らない人は全然知らないのが、フランスらしいです。
日本人で日本人に対して冷たい人は、よっぽど苦労をしたんでしょうかね?でも、苦労をして逆に優しい人もいますよね。実はそういう怖い人がいて、日本人みんなに冷たいので恐れられていたんです(笑)。
◆にぽぽさん、こんにちは。
天国と地獄のラスト、あれは映画を見終わってからいろいろ考えちゃいますね。
私は黒澤ファンで黒澤映画は「ジャンル」も「出来」もいろいろありますが、どれも好きです。
昔はあまり知らなかったのですが、一度観てみたらとても面白くて図書館でDVDのある限り借りて見始めたのが始まりです♪
ここ、リヨンで黒澤映画をスクリーンで観られて幸せです^-^。
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