よくある名前ならいいのですが、一緒に働く同僚の中には日本人の私にとっては覚えにくい名前もあります。
でも、人を呼ぶときには名前を言わなければいけませんし、親しくなるとフランスでは挨拶でも名前をつけた方がいいのです。
「Bonjour」 だけよりも、「Bonjour 〇〇〇!」の方が親しみ度もぐっと上がります。
- プレノン・コンポゼ Prénom composé
フランス人の名前には二つの名前がくっついて一人の名前になっているPrénom composéがたくさんあります。
例えば、Jean-Pierre やJean-Marie、Jean-Philippeのようなものです。
不幸にも、と言うと失礼ですが、私の職場にはそういう名前の人がたくさんいて、日頃一緒に働いている同僚の中にMarie-〇〇〇という人が3人もいます。(他の階にはもっとMarie-〇〇〇という名前の人がいます(笑)。)
おっちょこちょいの私は一度上司にあたるMarie-〇〇〇の〇〇〇の部分を別の同僚の名前で言ってしまい、冷や汗を書いたことがあります。それでも、Prénom composéぐらいなら慣れてくれば良いのですが、アフリカ、アラブ系の名前には顔をしかめてしまうような難しい名前があります。
でも、こちらにとって大変なものはあちら側にとっても大変で、アジア人の名前はとても覚えにくいようです。
しかも、"h"や"r"が名前に含まれていると本来の発音では呼んでもらえません。hはフランス語では発音しませんし、rの発音は日本語のそれとは違います。
そういう細かいことを挙げるときりがありません。
- エロキチって?
"h"の発音がらみのお話でひとつの例をご紹介します。何年か前にあるフランス人が日本のエロキチが大好きだというので、エロキチって何?と聞くと不思議な顔をして、ほら、あのかわいい猫の。。。というので紙に書いてもらうと"Hello Kitty"。キティちゃんのことはこちらではエロキチです(笑)。エロキチと言われるとなんだかキティちゃんのイメージが変わってくるような気がします。
他にもかわいい例では、黒澤明監督は"くろざわ"になっていますし、溝口健二監督はみぞぐちではなく"みぞぐし"。なぜなら、ローマ字表記だとMIZOGUCHIですが、こちらではCHはしゃ、しゅ、しょの発音になるからです。この
前行った溝口健二の映画の時も、解説で"みぞぐし"、"みぞぐし"、と繰り返すので、本当は"みぞぐち"なんだけどなと心の中で思っていました。
- シュシ?
フランスでも大ブームの寿司です。重箱の隅をつつくようなことかもしれませんが、SUSHIをそのままフランス語読みするとスシではなくシュシです。口をつぼめた"u"の発音です。日本人の発音で"スシ"というと"心配、気がかり"という意味のフランス語の"souci"に聞こえてしまうようです。「新しいシュシのお店ができたよ」とフランス人が言っているのを聞いて、それは"スシ"なんだよと言うと変な顔をしていました。私が発音に敏感すぎるのでしょうか?
まあ、そうは言っても私たちだって外国語の名前は正しい発音はしていないと思いますからお互い様です。日本語式発音のジャパニーズイングリッシュには困ったという話をよく聞きますから。
その一方で、漢字文化の中国人とは、正しく発音できなくても文字で通じあえるので便利です。漢字で名前を書いてもらえば、大体意味が分かりまるので、名前を覚えやすいですし、自分の名前も漢字で書いて見せると一発で覚えてもらえます。
漢字文化を持っているもの同士、親近感が生まれる一瞬です。
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