フランスのリヨンの日常生活で感じた事をざっくばらんに書き留めています。フランス、リヨン情報、外国人の友達、出来事、映画、フランス家庭料理、音楽、独り言。
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Friday, September 19, 2008

黒澤映画についての講演と映画上映: Kurosawa à l'Institut Lumière !

前に少しだけこのブログでも触れましたが、今Institut Lumière(リュミエール兄弟映画館・博物館)で黒澤明特集がやっています。黒澤明監督没後十年を記念しての特集で、11月上旬まで黒澤映画26本を上映しています。

私は黒澤映画が好きなので、このニュースを知った時からちょっとうきうきしていました。

黒澤明監督の映画を意識して沢山見始めたのはリヨンに来てからだと思います。リヨンの市立図書館に日本映画のDVDがたくさんあって、黒澤映画だけでなく、いろいろな日本映画をこちらで見ました。市立図書館に並んでいる日本映画のDVDはかなり充実していて、さすがに映画好きなフランスのお国柄だなと思います。


前置きをだらだら書いていても仕方がないのですが、昨日、黒澤映画についての講演と映画上映の Soirée spécialeに行ってきました。


Soirée spéciale
Jeudi 18 septembre
En présence de Aldo Tassone
Historien et écrivain, Aldo Tassone fut un grand ami de Kurosawa, auquel il a consacré plusieurs ouvrages.
19h30 Conférence sur Kurosawa (entrée libre)
21h Projection de Chien Enragé
Le premier film policier de Kurosawa, inspiré de Simenon.

←Soirée spécialeのチラシです。
Institut Lumièreのニュースレター"Institut Lumiere Infos > Soiree Akira Kurosawa"から抜粋。

講演はイタリア人のAldo Tassone氏。映画史が専門で、フィレンツェのフランス映画祭のディレクターです。黒澤明の友人でもあります。

Tassone氏は、イタリア人独特の話術と、陽気な雰囲気を持った方でとても楽しくて興味深い講演でした。この講演だけでも来て良かったと思いました。黒澤明の映画が本当に好きなんだなということが伝わってきましたが、途中で映画の一部を見せながら、いろいろ説明してくれて、「蜘蛛巣城(1957年 )」とシェークスピアのマクベスについて語っていたりして、面白かったです。

Tassone氏も興奮ぎみで、「こんなシーンが他の監督に撮れるか!?」と言いながらの説明でした。
私も映像で見せる(魅せる)ということにかけては黒澤明は本当に天才的だと思います。

このTassone氏は黒澤明についての本も書いているので、今度読んでみたいと思いました。


会場内の様子

講演の後に休憩でその後は「野良犬」の上映です。黒澤明の映画は「羅生門」から西洋に進出してきたので、敢えて「羅生門」以前の映画を選んだそうです。「野良犬」は三船敏郎がまだとても若くて、志村喬はもうこの頃からすでにベテランという感じですね。野球のシーンが出てきて、懐かしいというか、久し振りでとても日本らしいなと思いました。フランスでは野球という言葉さえ聞きません!日本じゃ考えられませんね。



ちなみに、Institut Lumièreでは9月26、27、28日と今年の2008年のカンヌ映画祭で賞を得た映画などのAvant-première(=アヴァン・プルミエールというのは[première=初のAvant=前]ということで、映画一般公開に先駆けて映画を上映するものです)があるのですが、最終日に何の映画を上映するかを非公開にしていたのを、この日に公にしました。ウッディ・アレンの"Vicky Cristina Barcelona"だそうです。


←画像はInstitut Lumièreのメーリングリスト"Institut Lumiere Infos > Revelation du film surprise..."より抜粋。

Institut Lumièreがこのアヴァン・プルミエールの上映権を勝ち取ったそうで、プログラム担当の女性が嬉しそうに話していました。フランスでのウッディ・アレン人気は相当なものですから、この映画のAvant-premièreの上映権を勝ち取れたのが本当に嬉しいようです。フランスでの映画一般公開は10月8日。

参考までに"Vicky Cristina Barcelona"のカンヌ映画祭についてのAFPBB Newsです

2 comments:

Anonymous said...

こんばんわ~^^
黒沢監督は日本を代表する大監督ですね!
"七人の侍"や、個人的には"椿三十朗"なんかも好きですよ♪
(だから、物語を知ってる織田祐二さんのリメイクはまだ見てません)

今、外国で人気のある日本人監督は、北野たけしさんでしょうか^^
ひょっとしたら、今後、日本を代表する監督として上げられてくるようになるかもしれませんね。
応援ぽちり♪

瑞穂 said...

◆カフェオレさん、こんにちは!

私も「椿三十朗」は大好きです!あのユーモアのセンスいいですよね。黒澤明監督の映画は私の中では五つ星のものばかりなので一番好きなものを挙げることはできません^-^。

フランスでは黒澤監督はもちろん、小津監督を初め、日本映画の評価は高いですよ。こちらで溝口健二監督の特別上映会や吉田喜重監督の夕べに行った時なんかも、職場の上司にばったり会ったりして、驚きました。日本映画が好きな人は本当に大好きみたいですね。

北野監督は意見の分かれる所です。こちらでも若いフランス人は「Kitanoの大ファンだ」という人もいますけど、暴力的な部分もあるので敬遠している人もいます。

ちなみに日本映画と言えば、黒沢清監督や三池崇史監督などの系統のファンもフランスにはたくさんいます^-^。

日本映画は、本国より海外での評価が高いものも多いと思いますよ。

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