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Saturday, January 10, 2009

ニューオーリンズと「欲望という名の電車(1951) "A STREETCAR NAMED DESIRE"」

2009年初のInstitut Lumièreリュミエール兄弟映画館に行ってきました。

12月にプログラムを見ていて、欲望という名の電車(1951) A STREETCAR NAMED DESIRE (仏題 Un tramway nommé Désir)の上映があるのを見て、前から見たかったし、10年以上前にこの映画を見損なっていたな、と思ってチケットを取っておきました。

そしたら当日、ごたごたしていたせいか、お正月ボケか、すっかり忘れていていて、21時の始まりで20時59分に何気なく、「今日は木曜日か。あれ、なんかあったような。。。」と急に欲望という名の電車だ!と思い出しました。こんな風にリュミエール兄弟の映画上映を忘れることは今までなかったことです。

一分前に気付くというのは、不幸中の幸い。始まってから気付くよりはましです。でも外は寒いし(ここの所フランスは数年振りの本格的な冬到来で昼でも気温はマイナスです)、もうあきらめようかとも思ったものの、リュミエール映画館はうちから歩いて5分もかからないので、行くことにしました。

映画館に着いたら解説の途中で、私は息を切らせていましたが、映画自体には間に合ったのでヨシとしましょう。

「欲望という名の電車」って、覚えやすい題名ですが、これは当時ニューオーリンズを走っていた路面電車の名前で、「欲望」という通りを走っていた電車の名前です。主人公のブランチ(ヴィヴィアン・リー)がその電車で妹ステラ(キム・ハンター)の家へ行く所から映画が始まります。(見ていない方、ネタばれすみません^_^)

凄いものがある映画ってありますね〜。
こういう映画を見た後は、充実感を感じます。嬉しいというか。この映画もそういう見終わった後、凄いなと思う映画のうちのひとつだと思います。
これはヴィヴィアン・リーのオスカーを取った演技も良いんですが、メインの俳優さんがみんな良いですね。マーロン・ブランドはこの映画で有名になったそうですが、若くて下品で暴力的、でも生命力に溢れていて美男(笑)という役が適役で好演してます。
テネシー=ウィリアムスの戯曲で、エリア・カザンが舞台監督をして、映画化もしました。

◆ ニューオーリンズ: New Orleans : La Nouvelle-Orléans

私はニューオーリンズに2回行ったことがあるんですが、この映画の雰囲気、ニューオーリンズだから出るというか、ニューオーリンズらしいという感じです。映画を観て久し振りにニューオーリンズのことを思いました。

私は当時ニューオーリンズに親戚のおばさんがいて、是非行きたかったので、親戚を尋ねて一人で行ってきました。ニューオーリンズってアメリカの中では特殊なんですよね。フランス領だったのでフランスの影響が色濃く出ているのは有名ですけど、独特の雰囲気があります。
街の中心にはトランペット吹いてる人とか歌ってる人がたくさんいて、しかもそれがものすごく上手いんです。ニューオーリンズといえばジャズですが、街を歩いていると音楽が聞こえてくるというのは本当です。
料理もクレオールとかケイジャンがあってすごくバラエティに富んでいます。飽きません。

ただ、とても危ないので私は常に親戚のおばさんと一緒で一人では歩きませんでしたし、行っては行けない危ない場所、怪しい場所には行きませんでした。昼間でも危ない場所は近づかない方がいいそうです。
人種もさすが南部だけあって私が行ったときはアフリカ系アメリカ人がものすごく多かったです。実際のパーセンテージで見ても2000年の時点で白人28.05%、アフリカ系アメリカ人67.25%、先住民0.20%、アジア系2.26%、太平洋諸島系0.02%。その他の人種0.93%、及び混血1.28%だそうです。ただし、2005年のハリーケーン・カトリーナの被害で大幅な人口移動があって、このパーセンテージも逆転して白人の方が多くなったようです。

映画に出てきたようなトラム(ニューオーリンズではSTREETCARと言います)も走っていましたが、トラムには乗りませんでした。でも乗っていたのはアフリカ系の人の率がものすごく多かったのを覚えています。

ニューオーリンズってものすごく蒸し暑いです。私が行ったのは2月上旬と3月だったんですけど、そんな季節でさえ夜に暑苦しくて眠れないことがありました。湿地帯があるので湿気もすごいです。親戚のおばさんの話だと、夏なんかは暑すぎて内蔵の調子が悪くなるぐらいに蒸し蒸ししているそうです。二月でもその話が納得できる暑さでした。

「欲望という名の電車」を見て、大分前に行ったニューオーリンズに思いを馳せました。
マーロン・ブランドの演じた若者の台詞。南部の男の考え方が出てましたね。私が聞いた南部の男と女、典型的夫婦関係という感じでした。南部出身のテネシー=ウィリアムスの作品なだけに、細かい所から南部の空気が出てるなと思います。
ニューオーリンズの暑さを思わせるような、うだるような熱が出ている映画でした。

私はハリーケーン・カトリーナが来るずっと前にニューオーリンズに行きましたが、ハリケーンで壊滅的な被害が出て、昔のニューオーリンズの姿にはまだ戻っていないというのは本当に胸が痛みます。
ニューオーリンズ復興の応援のためにまた行きたいと、ふと思いました。


映画のチラシはWikipedia英語版http://en.wikipedia.org/wiki/A_Streetcar_Named_Desire_(1951_film)より抜粋。

2 comments:

Anonymous said...

あ!!そうだそうだ、ヴィヴィアン・リーの出ている映画ですね!
聞いた事あるなぁと思ったんです。
ヴィヴィアンの事が一時期大好きで、風とともに・・・とか哀愁とかいろいろ見たんですけど、この映画だけ見つからなかったんですよ!!
うわー見たい!!
応援( v^-゜)σ★★

瑞穂 said...

◆にぽぽさん、

この映画のヴィヴィアン・リーは凄いですよ。何がってそれは見てのお楽しみですが(笑)、この映画自体が良く出来てます。マーロン・ブランドの役柄もいいです!このメインの俳優さん達はみんな良いです。

ぜひ見てみてください。私はこういう映画大好きです^-^。

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