いつか書きたいと思っていたのがイスラム教徒のことです。こういうことはタブーだと思われるかもしれませんが、フランスに住んでいるとイスラム教徒と出会うことが多いので、ちょっとだけ書いてみます。
日本の皆さんはフランスとイスラム教はあまり関係ないとお思いになるかもしれませんが、フランスは移民の国、イスラム教徒がたくさんいます。イスラム教は今やフランスにおいて(世界的に見ても)第二の宗教です。
私の最初のホームステイ先のマダムはイスラム教徒でした。外見はまるっきりフランス人、肌の色も白くて金髪、生まれもフランスですが、イスラム教徒のトルコ人と結婚した時に改宗したそうです。ですから、アルコールは飲みませんし、豚肉は食べないし、ラマダンもちゃんとしているそうです。もうその前夫のトルコ人とは離婚されていますが、それでもイスラム教であることには変わりがないと、今でもイスラム教徒の基本的な習慣は守っていると言います。
イスラム教と一口に言っても、いろんな国の人がいます。イスラム教徒、イコール、アラブ人と思っている方もいるようですが、そうではありません。私が今まで出会ってきたイスラム教徒だけも、
北アフリカのマグレブ諸国(モロッコ、アルジェリア、チュニジア)リビア、モーリタニア、
北アフリカ以外のアフリカ諸国、
イラン、イラク、
シリア、
トルコ、
ウズベキスタン、
中国、
パキスタン、
インドネシア、マレーシア。
私が今まで出会ったイスラム教徒だけでもこれだけいろんな国の人たちがいます。
そして、厳しく戒律を守っていたり、そうでなかったり、いろんな人がいます。教えをきっちりと守っている人、フランス生活で差し障りのない範囲で守っている人、自分の思うままにしている人。。。
最初に通っていた語学学校でイラン人のクラスメートがまだ開封していないトーストのようなものを教室に持ってきて、「これはイスラムで禁止されているものが入っているようだけど、知らずに買ってしまった。だれか欲しい人がいたらあげるよ。」アメリカ人のクラスメートがもらっていました。
イスラム教国からそうでない国に来た人たちは、今までのイスラム式の生活様式が変わるので最初は本当に苦労するようです。まず、食べ物。パキスタンの友達は、「パキスタンではイスラムで禁止されているものは売っていないので、食べ物に注意を払わなくてもいい。でも、フランスではイスラムで禁止されているものがたくさんあるので、いつも注意しなくてはいけない。」お酢でさえ、白ワインのお酢はいやだと言っていたのには最初驚きました。でも、彼らにしてみれば、イスラム教国の中でずっと育ってきて、そうではない所へ来たのですから、生活習慣の違いは日本人の私以上に大変なのでしょうね。それに、イスラム教徒としての自分自身との葛藤が随分あるようです。でも、住んでいるうちに、だんだん考え方がだんだん緩くなっていくようですが。
そういうわけで、イスラム教徒は、自然と同じ価値観の人たち、自分たちを理解してくれる人たちと一緒にいるようになります。フランス人はアルコールは飲みますし、お酒を飲んで騒いだりします。イスラム教徒はそういう風に騒いで、理性的ではないことをするのを嫌います。それに清潔、清いということを好みますから、掃除をあまりしないフランス人の若者には近づきたくないと思う人もいるようです。
一方、フランス人でもイスラム教徒に偏見を持っている人もいます。
二回目のホームステイ先のマダムは私が、あるイスラム教徒の人と知り合いになったと言ったら、「あまり近寄らない方がいい。彼らは最初は優しいけど、仲良くなると、図に乗ってとんでもないことをする。」本当にそういうことがあったのか、そういう思い込みなのかは分かりません。でも、こんな風にはっきり言う人は珍しいです。普通はあまりこういうことは話題にもしませんから。
パキスタン人の友人は、自分たちが色眼鏡で見られているのを承知していて、公共的なことで絶対に悪いことはしないと言っていました。もし万が一、何かで捕まったりしたら、「ほら、やっぱりパキスタン人は。。。。」と言われるのが嫌だからだそうです。
私が知り合いになったイスラム教徒の人たちはごく普通の気のいい人たちです。むしろ、無邪気で、気前がよく、とても気持ちのいい人たちでした。悪いことをするのはコーランで禁止されているので、むしろとても良い人たちです。ただ、「自分のものはあなたのもの、あなたのものも自分のもの」というような考え方があって、ここは誤解を与える原因かもしれませんね。
在仏の日本人の方は、フランス人ではないと見向きもしない方もいらっしゃいますし、イスラム教徒というとあまり近寄りたくないと思う方もいらっしゃるようです。それについてどうこう言うつもりはありませんが、多くのイスラム教国の人たちが日本に憧れていて、日本にとても良い感情を持っている人が多いということは知っていておいて欲しいです。
日本にいると、イスラム教は得体の知らないものだと思います、特にテロ事件以降はさらに悪いイメージばかりがつきまとっているようです。あまりイスラム教の人に会うこともないでしょう。でも、実際は普通のイスラム教徒の人たちはとっても明るくて、陽気です。
「国とか宗教という概念がなくて、世界がひとつだったらどんなにいいでしょうね。」と最初のホームステイ先のマダム、例のイスラム教徒のフランス人のマダムが言っていました。それは到底夢のようなお話ですが、国や宗教で偏見を持たないような人が増えればいいと思います。
Sunday, May 18, 2008
イスラム教の友人たち
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VIe française: フランス生活
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10 comments:
はじめまして。木蓮さんとは博士課程の学生という共通点があり、このブログは楽しく見させてもらってます。
イスラム教の人と話すのは、考え方の違いがいろいろあって興味深いですよね。死後の世界について話した時は、人生の一大事を議論している時のように熱心だったのを思い出します。日本の仏教ではないですが、輪廻転生について説明した時の驚きの顔が忘れられません。。
コメントありがとうございます。Sophieさんのブログは興味深い話題が盛りだくさんですね。今度また寄らせていただきます。
私のブログは最近はほぼ日記と化してきています。まあ、それでもいいんですけどね。
先日会ったモロッコ人との会話でふとイスラム教のことを書いてみようと思い立ちました。そうですね、本当にイスラム教の人とは価値観の違いでとても興味深いです。
こんにちは~♪(遊びに来てしまいました)
私は学生時代の友人のことを思い出しました。
その友人は、カルカッタ出身のインド人。ほとんど外食せず、ランチもいつも手作りでお弁当(野菜カレー)を持ってきていました。ベジタリアンでした。
「日本のカレーマサラはベリーグッドだよね。インドでは料理が下手だった僕にも美味しく作れる。だから家族に作ってあげるんだ」と帰国のちょっと前に言い出しました。
「日本のカレー粉には動物由来のもの、しかも牛由来のものが入ってるんだよ‥」言うか言わないか散々迷って、「彼一人が禁を犯すのと、家族を巻き込んで犯すのとどっちがましなのか」をたしか教授に相談した記憶があります。先生が「私から話すよ」って言われたのを覚えています。
宗教心の乏しい私には、あの時どうするのが正しかったのか、今でも本当は分かっていません‥
と、初書き込みで長々思い出をすみませんでした(汗)
コメントありがとうございます。(どんどん遊びに来てください!)コメントは短かろうが長かろうが大歓迎ですよ。
そうですね、カレーは悩みますね。私も似たようなことがありました。パキスタン人と日本のカレールーも便利でおいしいという話をしていたんですけど、イスラム教の人たちにとってはルーに入っているエキスの肉がハラルではないので厳密にはダメなんですよね。
こういうことを言ってるときりがないんですけど、決めるのは本人ですからね。。
私は日本人に生まれて気楽に何でも食べてますけど、所変わればいろんな習慣がありますよね。
(なぜか昨夜は、こちらのブログがすべて文字バケしてしまって開けなかったんですよね~・・・多分、私のブラウザのせいだと思うんですけど。)
社会人やってると、そう多くはなくても、イスラム教に関係のある人と出会う機会があるのかも?
私もトルコ人の友人がいて、イスラム教徒です。とーってもバランス感覚のとれた考え方をしていて、穏やかだし知的。
何億人という世界の人々を、幾つかの宗教で分類してくくってしまうのは危険ですよねぇ。このトルコの友人もそうだし、以前仕事で出会ったモロッコの人も、イスラム教徒なんだけどビール大好きだし、聞けばいろいろと教えてくれるけど、宗教についてはいたってリラックスした姿勢でしたね~。
こんにちは、Lazymikiさん。
もういろんなイスラム教徒に会ってますが、皆さん本当にそれぞれですよね〜。社会に出ているイスラム教徒の人は穏やかな人が多いと思います。そうしないと仕事ができないと、友人が言っていましたが、そりゃもともと緩い人だっていますよね〜。
前ベルリンからフランスに戻る途中のバスで隣の人が途中でもぞもぞ独り言を言い出して、ごそごそ動いているので、気分でも悪いのかと思ったら、お祈りしてたんですね。あんな狭いバスの座席で(しかも、大きな体で^^)。バスの中でまでお祈りするのね、とちょっと驚きましたが、インターでなぜか私にチョコレートくれたりして優しい人でした(笑)。こちらの人は結構イスラム教徒であるという誇りを持っている人も多くて(特にフランスに留学したての人たち)。。。かというとそんなの関係ないという方もいらっしゃいます。彼らは基本的にはいい人ばかりですし、いろいろと興味深いです。
私はフランスに住み始めた頃、そんなにモスリムとの接触がなかったんですが、ベリーダンスを習い始めたあたりから、色々気になり始めました。
ハラルも言い出すときりがないし、私のベリーダンスの先生も、去年のラマダン中のレッスンは、途中で日が暮れたので、お菓子をかっこんだりして(笑)、かなり大変そうでした。
(ベリーダンスのブログのリンクを入れておきます!)
うちの夫の話だと、彼が子供のころは、今ほどラマダンをしている人やスカーフの人は多くなかった、というので、イスラム回帰みたいなカラーが若干あるみたいですね。
ちなみに、このブログの右のLive Traffic feedってところに、私がコメントしたら「ブルゴーニュ」って出てました。
うちはブザンソンなんですけど、小さすぎて探知不能みたいです(笑)
やっぱりお菓子食べてましたか。^^
私も語学学校時代にクラスメートのイスラム教徒が夕方、授業中にラマダンの時間が過ぎたのでなんか食べてきますと先生に言って教室を出ていったのを覚えてます。
ラマダン中バスの中で倒れたおばあさんも見たことありますから、大変でしょうね〜。
フランスで公共な場所でのフラー禁止が出されたときも、かえってイスラム教徒の回帰が余計強くなっていたようでしたね。
まあ、ブザンソンなんですか!一度行ったことがありますが、とてもきれいなところですよね。
リンクありがとうございます。見に行きますね!
こんにちは、木蓮さん。先のコメントに出ていた死後の世界の話とかをこのエントリーに触発されて書いてみました。よろしければ、見ていってくださいね。神経を使う話題ですよね。
Sophieさん、「イスラム教のお話」読みましたよ。ありがとうございます。
コメントをSophieさんのブログの方に書きました。あんまりコメントになってないかもしれませんけど。
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