フランスの日々を書いていらっしゃるSophieさんが地方在住者のパリ観というエントリーを書いていらっしゃいました。共感するところが多かったので、それについて私もフランス地方在住者の印象を書いてみようかという気になりました。
ちなみに私はリヨンに住んでいますが、フランスの場合、日本で言うような東の都、西の都という概念がなく、パリ以外は全部「地方」なんです。私の住んでいるリヨンは都市レベルではフランス第二の規模ですが、それでもやっぱり地方です。
前にここリヨンで4人でアパートをシェア(フランスではcollocationといいます)していたことがあります。(その時のことは住居: Logementで少し触れています)私の前にそこのcollocationに入っていたのがパリ出身の学生カップルでした。このカップルは同居人たちに評判が悪かったようで、悪い話の方を聞く方が多かったのですが、そういう時に最後にみんなが必ず言うのが、「どっちにしたってあいつらはパリジャンだからな。。。」といって笑うのです。この言葉の後には口にこそ出しませんが「(パリジャンは感じの悪い奴が多いからね)」という言葉が隠されているのです(笑)。
パリの人は冷たい、感じが良くないというイメージはこちらでは結構定着しているようです。Sophieさんも書いていらっしゃいましたが、フランスではパリって言うと、顔をしかめる人って少なくありません。可哀想なパリです(笑)。パリジャンだっていい人もいると思うんですけど、パリの悪いマイナスイメージの方が強すぎるようです。
一方、日本人やフランスにやってくる外国人にとってはパリというと憧れのイメージが強いようです。前にモンペリエで「来年はパリに上がろうと思う」と言っていた日本人がいました。地理的にパリが北に位置しているからというのはもちろんありますが「やっぱりパリに出たい」という気持ちがあって、「パリに上がる」という言葉が出たようです。まるで地方から「上京」するという感じですね。
日本で有名な大学も「ソルボンヌ」とかパリの学校が多いのではないでしょうか。でも、フランス人に言わせると「パリではなくても有名で良い学校はたくさんあるよ。」とのこと。確かに分野によって有名な大学がパリ以外でもあります。
パリジャンという人のカテゴリーでなく「パリ」という街レベルで考えてみると、パリに行った友達が大抵言うのは「パリは本当にストレスがたまる街」ということです。
それに加え「物価が高すぎる」「人が冷たい」というのが良く聞くベストスリーです。つまり、日本で地方在住者が東京に持っているようなイメージでしょうか(笑)。パリに行ったことがない人も「別にパリに行きたいと思わない」というフランス人って多いです。フランス人でパリに行ったことがない人って結構いるんです。でも、仕事や研修を探すためにパリに行く人が多いです。パリは需要が多くて、仕事を見つけやすいのです。
パリのマイナスイメージを書いてばかりだと、私がパリが好きではないようですが、別にそういうわけではありません(笑)。
パリに行くと、パリ独特の空気があります。シャンゼリゼを歩いているとなんだかあそこにしかない雰囲気がありますよね。それに結構パリにしかないものもあります。例えば、日本人にとってはパリにはJunku堂パリ支店やbook-offもあります。随分割高ですけど、あるとないでは違います。(ちょっと例が偏っているかもしれませんが、前にリヨンからパリのjunku堂に至急の本の注文をしたことがあるので、つい^^)地方には日本語書籍が簡単に買える本屋さんはありません。
それに、パリは観光の街ですから、見所もたくさんあります。文化レベルが高いのは一番の魅力でしょうか。美術館へ行くためだけにパリへ旅行に行くという方もいらっしゃるぐらいですからね。コンサートやオペラも地方よりもずっと選択肢が多いのではないでしょうか。私はコンサートの点ではリヨンでも十分満足なんですが^-^。
でも、確かに地方ではパリに行くといえば、仕事や研修、友達に会いに行く人はいても、自分から進んで行く人ってあんまりいないかもしれませんね。日本人だとパリは逆に外せないと思いますよね。
でも、フランス人がいくらパリは嫌だと言っても、どっちにしてもフランスの首都には変わりがないんですから、パリについては彼らは言いたい放題というわけです(笑)。皮肉が好きで、ごねるのが好きなフランス人ですから面白がって「パリジャンって奴ぁ〜」と言ってます。
フランスのリヨンの日常生活で感じた事をざっくばらんに書き留めています。フランス、リヨン情報、外国人の友達、出来事、映画、フランス家庭料理、音楽、独り言。
Blog sur ce que je pense en France, ou bien sur le cinéma, la cuisine, les voyages, les informations de Lyon, etc. J'écris sur la vie française sans détour. Mais ce blog n'est écrit qu'en japonais. Désolé mes chers amis francophones !
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Thursday, May 29, 2008
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6 comments:
紹介ありがとうございました!アイツはパリジャンだから、ってのはキツいですね。嫌な正確にしか使われなさそう。
それにしても、「パリに上がる」はヤバいですね。その場に居合わせたらフランス人の反応が心配で動揺しちゃいそうです。^^
でも、実際はパリジャンが感じが悪いのではなくて、感じが悪いと「ほらパリジャンは」ということになるのだと思います。だって、そんなのはパリでなくたっているはずですから。
あいつはやっぱパリジャンだからっていうのはイメージが言わせているのだと思います。実際パリ出身でも、いい人いましたよ。あ、でも考えてみたら郊外出身の人でした。^^
「パリに上がる」っていうのはあまり意識しないで自然に出た言葉なのでしょうね。パリに行きたいと言う子でしたから。
私は、去年までパリジェンヌでした(笑)。
地方に来て、パリでも店の人の対応がのろいと思ってたのに、それを上回るのろさ、お喋りの長さに、びっくりすることがあります。
私は別にパリは首都として色々手近にあるのも便利だし、観光スポットも好きだし、こっちで手に入らない食料店が多いのも、ブックオフがあるのもありがたいと思ってますが、引っ越してから、日本人の知り合いから「パリ在住?すごーい!」っていう言われなき崇拝がなくなって、ちょっとほっとしています。
確かに、周りのフランス人は、パリ嫌ってる人が多いですね。
山が近いせいか、「排気ガス汚染が嫌だ」とか、「道がうるさい」という人も多いです。
私は最初から地方にいて、パリ行くのは観光とか人に会いに行くとかですが、まあパリはパリですよ(笑)。
パリにいた子は結構日本から友達が来ると言っていました。でもリヨンにまで来るっていうのは珍しいです。逆にフランス国内からリヨンに来るっていうのはよくあります。
日本人からは「パリじゃないの〜」って言われますからね(笑)日本人ってなんであんなにパリが好きなんでしょう。
ブザンソンならそうでしょうね〜。分かります。ここリヨンでも田舎に行った後はものすごく空気が汚れてるなと思います。
まさしく私は、パリが大好きな、典型的な日本人(*^o^*)/
古さと斬新さが溶け合ったパリの街が大好き!
観光客だからだね、きっと。
実際フランスに暮らしたら、パリってストレス溜まる街なのかな。。
日本人にとって、「パリ=オシャレ?」みたいな感覚があると思う。
実際、パリって、行くたびにワクワクするよ♪
私のフランスの地方出身の友達は皆、「(パリジャンは感じの悪い奴が多いから)」な感じでパリのことを話していたけど、やっぱり私はパリが好き♪
それに、パリ出身の友人達は、パリをこよなく愛していたよ♪
日本でも、地方の人は、「東京!?あんなとこ、コンクリートばかりで人の住むところじゃないよ!!」と言う人がいっぱいいるよね。
私も前はそう思ってたけど、今は東京が大好き☆
エネルギーにあふれていると思う。
最近、木蓮さんの日記を読んでて、ますますフランスが好きです!
◆ぷっちゃぽんさん久し振り!
私もパリに行く時はやっぱりちょっと嬉しいかな。パリって言ってもいろんな地区があるから一口で言えないよね。
それにしても日本でのパリ人気はすごいよ。だって、例えばパリのお菓子屋さん特集とか日本のメディアの方がよく知ってるぐらいだもんね。
フランス人って地元への愛がすごく強い。「私の地方が一番!」っていうような発言を良く聞くよ。リヨンに出てきてる他の地方の子も「私の(僕の)地元では◯◯が有名で〜」って得意げに話すからね。「え、それってフランスはどこでもそうなんじゃない」って言っても、「いやいや、うちが一番。うちのが一番有名。」って感じだよ。
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