小林正樹監督『怪談(1965): Kwaidan』をDVDで見ました。
カンヌ国際映画祭審査員特別賞、ローマ映画祭監督賞受賞。米アカデミー外国語映画賞ノミネート作です。
ラフカディオ・ハーン、小泉八雲の怪談の中から『黒髪』『雪女』『耳無芳一の話』『茶碗の中』の四話のオムニバス形式になっています。
『雪女』ってとてもロマンチックなお話ですね。久し振りに雪女のお話を思い出しながら見ましたが、切なくて、とても余韻が残りました。視覚的にも、とても美しい仕上がりなので余計にそう感じたんだと思います。
仲代達矢さんここでもやっぱりいいです^-^。最近どんどん仲代さんのファンになってきています。
恐怖という点では最初の『黒髪』が一番かもしれません。最後の方の描き方がいいなあと思います。
『茶碗の中』というのは初めて聞くお話でしたが、内容がユニークでした。話の進め方もちょっと一風変わっていました。
でもやっぱり四話の中で一番すごいのは、『耳無芳一』の話でしょう。有名な耳無芳一の話が見事に映像化されていました。琵琶の音も良かったです。怖いという感覚よりも、いつ耳を取られてしまうんだろうという発想が優先してしまってひやひやしました。芳一の琵琶を聴いている、平家の怨霊の気迫がこっちまで伝わってきそうな迫力でした。
最初から美術がとても凝っていて、美しい映像だなという印象でした。
小林正樹監督の映画は三本見ましたが、観るたびに、映画を芸術の視点で作る正統派監督だったんだなと思います。
こういう怪談ものだと、今はコンピュータグラフィックで上手くやってしまいますが、そうじゃないアナログの映像は今の時代の映画よりもずっと生々しい現実味があります。
俳優さん達も凄いです。よくやるなと感心しました。
最初のDVDの画像はwww.amazon.frから。
フランスのリヨンの日常生活で感じた事をざっくばらんに書き留めています。フランス、リヨン情報、外国人の友達、出来事、映画、フランス家庭料理、音楽、独り言。
Blog sur ce que je pense en France, ou bien sur le cinéma, la cuisine, les voyages, les informations de Lyon, etc. J'écris sur la vie française sans détour. Mais ce blog n'est écrit qu'en japonais. Désolé mes chers amis francophones !
Blog sur ce que je pense en France, ou bien sur le cinéma, la cuisine, les voyages, les informations de Lyon, etc. J'écris sur la vie française sans détour. Mais ce blog n'est écrit qu'en japonais. Désolé mes chers amis francophones !
Saturday, November 8, 2008
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
Popular Posts
-
実は私、二週間程前からあるものに悩まされています。フランスとは何の関係もありません。 知っている方もいらっしゃると思いますが、「ジベルばら色粃糠疹」というものです。私は今回初めて知りました。ちょっと長いですが、 メルクマニュアル医学百科家庭版 からジベルばら色粃糠疹の部分を抜粋す...
-
フランスでよく見るけど日本ではあまり見ないという野菜について書いてみたいと思います。 見かけが悪いくせに、とても美味しい 根セロリ Céleri-rave(セルリ・ラーブ) 。 根セロリはセリ科の野菜でセロリの仲間ですが、セロリとは品種が違って、根セロリは根っこの部分を食べる品...
-
ラマダン(Ramadan)が始まりました。 フランスにいると、ラマダンやイスラム教についての情報がたくさん入ってきます。 昨日のルモンドでラマダンの開始は今日か明日かとありましたが、今日の朝のFrance2のニュースでラマダンが始まりましたと言っていましたから、ラマダンの月が確認...
-
こういうのって主観的なことで、人によっていろんな意見があると思いますが、私なりにフランス人との会話で気がついたことを少し考えてみたいと思います。(フランス語の学習という方向では書いていません) 態度が相手に与える印象 私がフランスに来たばかりの頃と今では、フランス人と話す時の彼ら...
-
フランスでピアスの穴を開けた時のことを書いておきます。 私は日本にいた頃はピアスを付けたいなんてあまり思わなかったのですが、こちらに来てからいつの頃かピアスをつけたいと思うようになりました。最初のきっかけは、語学学校に通っていた頃に、インド映画を友達とよく見るようになり、美しいイ...
-
前に、本に関わるお手伝いをさせてもらっていると書きました。 本関係と言ってもいろいろありますが、私は大学図書館で働いています。今日はちょっと図書館のことを書いてみます。 こちらで、修士課程の2年目に入る時、先生に大学で日本語を教えてくれと言われましたが、年齢でひっかかってしまいま...
-
以前、フランス人の友人Cがふざけて(それとも真面目だった?) 「僕の奥さんになる人の条件は美味しいラザニアがつくれることだ!」と言っていました。 日本だったら「料理のうまい人がいい!」と言うことはあっても、「ラザニア」と特定する人はあまりいないと思います。 Cの言葉が分かりやすか...
-
イタリア話はちょっと休んで、映画です。 幕末の人斬り以蔵、岡田以蔵の半生を描いた映画、「人斬り」をDVDで見ました。 左のDVDの画像は Amazon.fr より。 1969年公開、五社英雄監督、司馬遼太郎の小説「人斬り以蔵」を元に橋本忍の脚本です。勝プロダクション製作。 人斬...
-
大分前、去年の夏にリヨンでワンタンパーティーをしたというのを書きました。 その時の記事はこちら、 ワンタン: Wuntun 。 中国人の友だちが包んでいる所を私がビデオで撮っていたのがあったので、アップします。 ワンタンの包み方に興味があるという方が多いようなので(笑)。 包ん...
-
フランスでは10歳の節目ごとに誕生日を派手に祝う人が多いです。 普通の誕生日は特に何もしないけど、10年ごとの誕生日には人を招くという友人もいます。近所に住んでいる友人のFは30歳の誕生日でレストランを借り切ってパーティーをし ました。 前もって彼女の妹さんや何人かの有志、...
リュミエール兄弟の街から-- Du quartier des Frères Lumière --
© 2008-2010 All Rights Reserved.
© 2008-2010 All Rights Reserved.
2 comments:
昔の怪談映画の方が、昨今のホラー映画よりアナログな分、役者さんの演技が光っておどろおどろしいように思います~☆
◆こんにちは、アイノワさん。
本当に昔の映画の役者さんの演技って今と違いますね。
迫力が凄いです。
作るのも時間がかかって大変でしょうけど、アナログの人間的な雰囲気って今の怪談映画と違いますね。
Post a Comment