これは面白いです。小林正樹、素晴らしい!(敬称略失礼します。)
究極の選択とはこういうもののことを言うのでしょう。(何の選択かは見た方は分かると思います。)
いやあ、映画って本当にいいですねえ^-^。淀川長治さん調の心のつぶやきをしたくなります。
ちょっと長いですけど、amazon.co.jpから作品紹介を引用します。
封建主義全盛の時代。藩主の命により、側室・いち(司葉子)を拝領させられる与五郎(加藤剛)だが、ふたりは愛し合い娘をもうける。ところが藩主 は、世継ぎの問題からいちを大奥に返せという。あまりに非人道的なやり方に怒ったのは、与五郎の父・伊三郎(三船敏郎)であった。
小林正樹監督の代表作の1本である「上意討ち・拝領妻始末」は、大儀の名の下に個人の思いを踏みにじる封建主義に背き、その結果自滅していく侍を描 いた作品、と捉えられている。この映画は単に、自己主張を通した侍の顛末を描いた作品ではない。小林監督の視点は、常に冷静に状況を捉え、あたかもゲーム のようにその成り行きを見定めている。まさしく“天の視点”の産物である。
現代的な正義感やヒューマニズムを声高に叫ぶのではなく、ある意味シェイクスピア的な悲劇を、見事なまでの様式美、美術、映像で彩ってみせた、第一 級のエンタテインメント。それが「上意討ち・拝領妻始末」なのである。自己主張が存分に可能な現代において、藩主の名に異議を唱え、息子とともに刺客たち と闘う伊三郎は、どのように見えるだろうか。(斉藤守彦)
三船敏郎はもちろん言うまでもないんですが、仲代達矢のこの独特の雰囲気ってこういう映画には欠かせないものだなと思いました。仲代さんには毎度感心します。黒澤監督の映画には欠かせない人の一人だと思いますけど、この人が出ると画面に立ち上る気迫が違いますね。
いつのころか仲代さんのファンになっています(^-^)!
映画の最初の方のお偉いさん方の体面作りで、こういうのを外国人が見て、日本ってこうなのかと思われてしまうのかなと思っていたんですが、見ているうちに、いや、これこそが日本なんだよねとも思いました。
封建時代と比べてはいけないし、程度問題だとは思いますが、日本独特の外面、建前重視の面はいつまでも残ると思います。フランスに来て余計にそう思います。
良いか悪いかとかじゃなくて、建前社会って「日本」の特徴のひとつだなあと思います。
それにしても、小林正樹の映画はすごいです。これも切腹(1962)と同じく橋本忍の脚本です。小林正樹監督、橋本忍脚本は今までに二本しか見ていないのですが、二つとも脚本がしっかりしていて、しかも俳優さん方が凄いです。完成度が高いと思います。あんまりべた褒めしてもいけませんが(笑)、こういう映画を見ると本物だなと思ってしまいます。
ヴェネチア映画祭、国際批評家連盟賞を受賞。
ちなみに、これも切腹(1962)と同じくCに借りたDVDです。小林正樹の『怪談』もCから借りて見ました。
Cのおかげでいろいろ面白いDVDを観られて、いつもお世話になってます。
DVDの特典で、仲代達矢と司葉子のそれぞれのインタビューが面白かったです。
最初の画像は『上意討ち 拝領妻始末』のフランス語版DVD 仏題 Rebellion。もう一つはamazon.co.jpの日本語版DVD『上意討ち 拝領妻始末』から。
4 comments:
木蓮さん
お久しぶりですこんばんわ^^
"上意打ち"
みてないです!
今度
TSUTAYAで発見したあかつきには
借りてみようと思いました^^
それにしても、
映画も凄くお詳しいですよね~
pochi!
◆こんにちは、カフェオレさん。
お久しぶりです!
「上意討ち」良かったですよ〜。
「切腹」を見たとき、この監督はすごいと思ったんですけど、これもまた別の緊張感で良かったです。映画全体の構成、静と動の使い方もいいなと思いました。
私は映画は詳しいとは思いませんが、映画は好きです!
面白いDVDをたくさん持ってる人がいるので、その人に感謝してます^-^。
にぽぽは今、この年代につくられている時代劇にはまっているのです。
CATVの時代劇専門チャンネルを見っぱなし(笑)
上意討ちは迫力ありそう~っ!
キャストも豪華だしっd(≧▽≦*d)
加藤剛さんは最近現代劇やバラエティ番組にも出演してたりして
びっくりしたり楽しんだりしてますが、若かりし頃ですよね。
見てみたい~っ!
応援( v^-゜)σ★★
◆こんにちは、にぽぽさん。
そうなんです。キャストが豪華ですよね!加藤剛さんもですけど、出てる俳優さんがみんなお若いですよ〜。
この映画は構成も良かったです。前半のじりじりに後半の躍動感!という感じです。
この時代の映画がケーブルで沢山見れるなんて羨ましいです!
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