木曜日に、リュミエール兄弟映画館Institut Lumièreにピアノ伴奏付きの無声映画の上映に行ってきました。Josef von Sternbergジョセフ・フォン・スタンバーグの"Les Damnés de l’Océan (The Docks of New York) (Etats-Unis, 1928)" 邦題は『紐育(ニューヨーク)の波止場』のようです。
アメリカの労働者階級のお話です。貨物船で働くビルが、陸に上がった日、ひょんなことで身を投げようとしていたメイを救います。諭されて元気を取り戻したメイ、ビルは1日限りの陸揚げの日、勢いでメイと結婚します。でも。。。という恋愛ものです。
サイレントながら笑えるシーンもあるし、面白かったです。良かった理由のひとつは映画に合わせてピアノの伴奏を上映中ずっと弾いてくれたこと。ピアニストはFlorian Doidy氏で、Institt Lumièreのサイレント映画のコンサートではいつも彼が弾いています。
映画コンサートなので当たり前と言えば当たり前なのですが、映画の間、ずっと休みなく弾き続けるのは疲れるんじゃないかと余計な心配をしてしまいました。でも、柔らかいピアノの音で映画がとても情緒豊かな感じになっていました。ピアノの伴奏なしだったらこういう感じにはならないんじゃないかと思います。
映画コンサートの前に、シネマテーク・フランセーズ(Cinémathèque français)のディレクターなど、いろいろと努めてきたDominique Païni氏の講演がありました。無声映画の時代、どのように映像と想像力でストーリーを作るか、というお題でしたが、お話が面白い方で、いろんな無声映画の抜粋も見せてくれるんですが、その抜粋の仕方がわざといいところで切っているので、皆苦笑していました(笑)。
ちなみに、チラシにérotiqueとありますが、上映された映画の方にはエロチックな場面はありません(笑)。ちょっと服がはだけているとかその程度です。
講演の方ではその関連も話していましたが、ポルノとかではなくて、心の動きを表すエロチック、というかそういうものでした。現代のエロチックとは違って想像で導くサイレントという感じでした。
でも、本当にサイレント映画って普通の音声映画を観る時よりも、ずっと想像力を膨らませて観ることになりますね。会話や音がない分、画面からのメッセージだけを受け取るわけですから、画面のオブジェなんかが何を表しているのかを見るというところが、普通の映画よりも面白いところなのかもしれません。いろいろとサイレント映画の抜粋を見せてくれたのですが、この独特の映像の美しさは、好きな人(私も好きです^-^)には、たまりません。でも美しく見せるためのメークはやっぱり特別だったようです。
私はあるきっかけで活動弁士さんの語りつきの溝口健二の無声映画を観てから、サイレント映画ファンになりました。一人で何人もの役の声を担当していて、大変なことだと思いますが、弁士さんの語り口と解説で、無声映画がイキイキしていたのが印象深かったです。これは芸だなと思いました。
ちなみに講演も映画も満席でした。一緒に行ったCが満席で当日券を買うために並んでいる人達を見て驚いていました。満席だった理由はたぶん、講演者のDominique Païni氏のお話を聞きたいという人が多かったからじゃないかと思いました。映画界では有名な方のようですし、しゃべり口の面白い人です。
幸運にも私の周りに一人サイレント映画が好きな人がいます。今度あるサイレント映画を一緒に観に行くことになりました。
楽しみです^.^。行ったらまたメモ代わりにここに書こうかなと思います。
チラシの画像はInstitut Lumièreのニュースレター"Institut Lumiere Infos > Cine-concert : Muets erotiques"より、写真はInstitut Lumièreのサイトより抜粋。























